HSPICE
 

高精度回路シミュレータ

 
概要

HSPICEは高精度回路シミュレーションを実現する業界標準ツールであり、卓越したシミュレーションと解析アルゴリズムを有するファウンドリ認証済みMOSデバイスモデルを提供しています。25年以上に渡るテープアウト実績を持つHSPICEは、業界で最も信頼性の高い包括的な回路シミュレータです。

メリット
・高精度回路シミュレーションのゴールド・スタンダード:
  業界標準シミュレーション・モデルから固有のシミュレーション・モデルまで、高精度かつ広範囲に渡るモデルのサポート 
・高いパフォーマンス:
  セル・キャラクタライゼーション作業を1/20に短縮
・シグナル・インテグリティ解析:
  シグナル・インテグリティの影響をモデル化し、SI解析をサポートする強化型WエレメントおよびSパラメータ
・高精度、高性能RFシミュレーション:
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最先端の線形/ノイズ/大信号ステディステートRFシミュレーションを実行
アナログ・シミュレーション、RFシミュレーションおよびミックスドシグナル・シミュレーションに、同じファウンドリ認証済みICデバイスモデルを使用
ハーモニック・バランス・エンジンならびにシューティング・ニュートン・エンジンにより10,000を超える能動素子の迅速な
シミュレーションを実行
・Verilog-Aを用いたビヘイビア・シミュレーション:
  ビヘイビア・モデリングおよびカスタム・デバイス・モデリングが可能に
・業界標準フォーットの包括的なサポートにより、ツールの導入やツール・フローへのインテグレーションの問題を軽減
・Discovery AMSシミュレーション・インターフェイス:
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ケイデンス社Virtuoso® Composerユーザーのための強力なGUI機能ならびにネットリストのインターフェイス
HSPICEのすべての解析結果と機能をサポート
シノプシスCosmosScopeならびにケイデンス社 Virtuosoと緊密に統合
 
主な特長

●ファウンドリ認証モデル
デバイスモデルは、正確な回路シミュレーションの実行に最も重要な要素です。長年にわたり、HSPICEは、最も高度で正確な業界標準のデバイスモデルを実現する最先端のモデリング技術を提供してきました。シノプシスは、モデルパラメータを短期間かつ正確に製造プロセスでモデリングするために、主要半導体ファウンドリや企業ファウンドリと協力関係を結んでいます。広範囲に渡るサポートを行うHSPICEモデルは、製造現場において頻繁に使用されるテクノロジの範囲から、最新のInternational Technology Roadmap for Semiconductors(ITRS)ロードマップに見られる高度に特化されたプロセステクノロジまで、幅広い範囲で実証されています。

●Verilog-Aを用いたビヘイビア・モデリング
Verilog-Aは、コンパクトデバイス・モデルの実装など、アナログ動作を記述するのに理想的な言語です。HSPICEは、Verilog-Aに対応しているため、Verilog-AとトランジスタレベルのSPICEネットリストが混在したデザインでのシミュレーションを簡単な方法で実現します。Verilog-Aに対応したことにより、設計者は、アナログ回路やミックスド・シグナルIC、さらにはデジタル・ブロックやメモリなどが同一シリコン上に存在する大規模なシステムオンチップ・デザインを効率的に記述ならびに検証することができます。コンパイラ・ベースのソリューションは、内蔵モデルを用いた場合に匹敵する高速なシミュレーションを実現します。HSPICEが提供する主な解析機能は、Verilog-Aで記述されたデバイスに対応しており、トップダウンのデザインだけでなくボトムアップの検証メソドロジにも対応しています。

 

図1:HSPICEは多様な回路、解析法に対応
 
ICセル・キャラクタライズ機能

HSPICEは、デジタルセルの正確なキャラクタライズに適しており、シミュレーション・データに基づく多彩な波形解析機能を備えています。データ・ドリブンのパラメータ・スイープでは、任意のパラメータを同時に変化させることでキャラクタライズを自動化し、数百パターンにおよぶHSPICEシミュレーションを効率よく処理できます。

HSPICEは、次のセル・キャラクタライゼーション機能を含んでいます。

●パフォーマンスの向上:
HSPICEは、高い精度を維持しつつ、セルやデジタル・ライブラリのキャラクタライゼーションにとって重要になるシミュレーション速度を劇的に向上しました。これは、タイムステップ制御アルゴリズムの強化とシミュレーション制御インターフェイスの簡素化により実現しました。これらの新機能により、シミュレーションのすべての許容値を単一の制御オプションで同時にスケーリングすることができるようになるため、ユーザーが複数のオプション設定をする必要はありません。HSPICEは、指定した精度レベルに合わせて各タイムステップのサイズを自動的に設定します。

●Wエレメント、Sパラメータを用いたシグナル・インテグリティ解析:
微細化が進み、ジオメトリ・サイズが光の波長を下回ることにより、設計と検証に新たな課題が浮上します。また、信号のパスが長くなり、配線密度が高くなる90nm以降の設計では、シグナル・インテグリティの問題は避けては通れない課題です。HSPICEは、クロストーク、リンギング、およびグランド・バウンスのようなシグナル・インテグリティの問題を特定することができます。HSPICEにより、ICやプリント回路基板(PCB)のクロック・ネットワーク、バス、およびクリティカル・シグナルの設計とキャラクタライズを正確に行うことができます。

ユーザーは、ネットワーク・アナライザの実測データ、またはフィールド・ソルバーのデータに基づいて、正確なSパラメータ・モデルを容易に作成することができます。HSPICEは、任意の数の差動ポートや単一終端ポートを持つSパラメータ・モデルをサポートしています(最大500ポート)。さらに、.LINコマンドを使用してSパラメータを直接抽出(Nポートモデルの生成)することにより、さらに正確で詳細な測定が可能となります。最新バージョンでは、Wエレメントを組み込むことによりSパラメータをサポートしています。さらに、HSPICEはIBISモデルをサポートしています。これにより、基盤設計者はシミュレーションのリソースをさらに効率的に利用することができます。

 
図2:ネットリスト生成と容易なシミュレーション・セットアップのための
新しいDiscovery AMSシミュレーション・インターフェイス
 
図3:CosmosScopeとの統合による強力な波形解析
 
HSPICE RF解析機能

HSPICE RFは、主な機能として周期的ステディステート(PSS)解析、周期的ノイズ/位相ノイズ解析、およびステディステートAC解析を提供します。また、シューティング・ニュートンならびにハーモニックバランス・エンジンの追加により、HSPICE RFは高周波回路の大容量非線形シミュレーションにも対応しています。HSPICE RFは、PLLフェーズ・ノイズ解析およびジッタ解析機能を提供します。

 
信頼性の高いTriple DES暗号化機能

HSPICEは、信頼性の高いTriple Data Encryption Standards(DES)に準拠した暗号化機能を提供します。これは、Metaencryptへの追加機能で、機密性の高い情報を漏洩することなく、カスタムモデル、パラメータ、および回路等を配布することができます。この機能により、暗号化されたライブラリを用いてシミュレーションを実行できる一方で、暗号化されたパラメータ、回路ネットリストおよび内部ノード電圧は解読できません。

暗号化されたライブラリは、デバイスや回路をブラックボックスとして扱い、終端機能のみ開示します。これにより、知的財産である情報の守秘性を保ちつつ、サードパーティ・ユーザーもフローを変更せずにシミュレーションを実行することができます。

歩留まりを考慮した設計

HSPICEは、ワーストケース・コーナー解析、モンテカルロ解析およびAC & DCmatchといった洗練された解析法を組み込んでいます。これらにより、多種多様なプロセス、電圧および温度範囲に対する設計制約を満たす回路最適化が可能です。HSPICEとStar-RCXTを同時に使用することにより、デバイスのプロセスに起因するバリエーションだけでなく、配線の寄生容量も考慮したシミュレーションが可能になります。HSPICEは、バリエーションが歩留まりに及ぼす影響をレポートするとともに、歩留まり目標の厳しいデバイスおよびパラメータを特定します。HSPICEは、歩留まりを考慮した設計を実現するために以下の機能を提供しています。

  • コーナーケース解析:プロセスの各コーナーおよび動作条件を容易に検索し、歩留まり、消費電力、パフォーマンスを解析
  • スマート・モンテカルロ:Latin Hypercubeならびにその他のサンプリング・メソドロジにより、効果的かつ正確に歩留まりを予測
  • AC & DCmatch:ローカル・パラメータのミスマッチによる影響を解析
  • バリエーション・ブロック:プロセス・バリエーションの影響を強力かつ柔軟な方法で特定
 
図4:HSPICE RFシミュレーションのVCO波形とスペクトル
 
図5:時間、周波数ドメインにおけるSパラメータ・データおよび損失性伝送線路モデル
 
オプション

以下の機能は、HSPICEの追加オプションとして提供されています。

  • 高速かつ高精度なRFシミュレーションを実現するHSPICE RF
  • ファイルの暗号化機能(Triple DES方式を含む)
  • IPモデル統合のためのC++プログラミング・インターフェイス(CMI)
 
データ・フォーマットおよびインターフェイス
  • SPICE、.LIB(L/Wのbinningをサポート)
  • IBISフォーマット(主にIOバッファ向け)
  • Verilog-A(Accellera 2.1 LRM準拠)
  • WエレメントRLGCマトリックス・ファイル
  • Sパラメータモデルのファイル・フォーマット:TouchStoneおよびCITI

HSPICEは、既存のIC設計環境に容易に統合できます。ネットリスト生成、シミュレーション制御、シミュレーション結果の表示、シミュレーション結果のクロス・プロービングとバックアノテーションは、ほとんどのEDAツールで完全にサポートされています。HSPICEは、次をはじめとする設計フローをサポートしています。

 

設計環境
 - ケイデンス社 Virtuoso Composer/Analog Design Environment
 - シノプシス Cosmosカスタム/ミックスド・シグナル環境
 - シノプシス Discovery AMSシミュレーション・インターフェイス
 - シノプシス Circuit Explorer

●波形解析:
 
- CosmosScopeの優れたポスト・プロセッシング/ Measurement/解析機能を備えた直観的なポイント&クリック式ビューワ

●RC抽出:
 - シノプシスの寄生素子抽出ツールStar-RCXTおよびその他のサードパーティ抽出ツール

 
 プラットフォーム・サポート

HSPICEは、以下のプラットフォームをサポートしています。

  • Redhat Linux Enterprise 3、4
  • SUSE Linux 9
  • Solaris 9、10
  • HPUX 11
  • IBM AIX 5.1
  • Windows 2000、XP